今日はお仕事ばかりでした。
ああ、文人になりたい。家賃が払えず路頭に迷いたい。
知的な無意味に触れると興奮するのです。この本を贈ってくれた友人に感謝。
シリーズ最高傑作
色々迷った挙句にMGS3をやり直そうと思ったんだ。
何もかも懐かしい。
知っているかい、MGS3は最も生命力に溢れ、最も小島秀夫のフェテズムに富んだ作品なんだ。
自然と肉体をゲームシステムに取り込んだ本作は、バーチャルに病んだぼくに生きる実感を思い出させてくれる。
敵キャラとプレイキャラの肉体が生々しく絡みつくモーション、PS2の拙いグラフィックが逆にドロドロしさ、血生臭のリアリズムを疑似体験させてくれるんだ。
ぼくは食事が好きじゃないし、睡眠も好きじゃない。
ぼくは死ぬ不安のない甘ったれた日常を生きている。
だけど伝説の英雄スネークは食べなければ、休まなければ死んでしまう。
MGS3には動物や果実をキャプチャして食べることができる。
サバイバルビュアーで傷の治療ができる。
休めば傷が治癒するんだ。
MGS3の命は有限だね。ぼくはその有限性に触れると生きている実感を思い出せるんだ。
生きる為に努力することは恥ずかしいことじゃない。
ネイキッド・スネークはそのことをぼくに教えてくれた。
◼️MGS3はどんなストーリーだったかな
時代は僕らが生まれるはるか昔の1964年。歴史の裏側の出来事。
米国の特殊部隊"FOX"のエージェント"スネーク"(後の我らがビックボス)はソ連軍内の抗争に巻き込まれたソコロフという科学者の救出任務がお話の導入です。
ジャングルを越えソコロフのもとに辿り着くと我らのオセロットと対峙しますが、毛利さんの華麗なCQCを披露し例の名セリフでオセロットに灸を据えます。彼は無事リボルバーの道を歩むことになるでしょう。
その後ソコロフを連れ出しますが、味方であるはずだったザ・ボスに裏切られ任務は失敗に終わります。
フルシチョフと対立していたGRUのヴォルギン大佐はソコロフの作った秘密兵器シャゴホッドを奪取、ザ・ボスの協力でデイビーク・ロケット(人サイズの核弾頭)を入手し、更にはソコロフをスネークから奪還します。
血迷ったヴォルギンは米ソ間に緊張を走らせる為に、ソ連領土内でアメリカ製の核(デイビークロケット)を放ちました。
この呪いの一発がソリッド・スネークらの泥沼の物語へと繋がるのです。
過去であるから未来は確定してしまっている。故に撃ててしまう。
大人になって分かった。かつては知らなかった。
メタルギアシリーズ唯一核を放った本作はとても重いのでした。
METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER
君が読んでいるかは知りません。
だけど君の為にあるゲームの話をしていこうと思うのです。
昔々あるところに、未来がありました。
意思が独り歩きした結果、何者でもない何かが人類を支配してしまった悍ましい物語です。
それは伝説の傭兵の物語でした。
それは伝説の英雄の物語でした。
それはひとりぼっちの物語でした。
それは小島秀夫でした。
名前はメタルギアソリッド
彼らの物語は少年だった僕らに生きる勇気を与え、孤独を癒し、意思を持つ強さを与えてくれたね。
ぼくは大人になった。ぼくは頭が固くなった。
ぼくは変わったのか。人は変わらないのか。
確かめなければいけないのです。
これからするのはゲームではありません。
インナースペースの探索、観測、そして報告なのです。
メタルギアソリッドは長寿シリーズだね。ぼくが生まれる前から存在してた。
ぼくが生まれたのは1992年。信じられないけれど、ぼくの生まれた年はボスニアで虐殺があったんだ。偽りの平和の住人のぼくが戦争ゲームに魅了されるなんて笑ってしまうよね。笑わないでおくれ。
君はメタルギアがいくつあるか知っているかい、たくさんあるんだ。どれがいいかな。
レガシーコレクションをやろうと思うんだ。原本は旧いからね。
リプレイと共に記憶の巡礼をしていこう
ぼくはメタルギアソリッドをやり直すことで人生を振り返って行く。
自分を見つめ直すのがブログだと小島監督は言っていた。
前作をやり直されるのも好きじゃないとも言っていた。
これでぼくは叛逆者だ。最後にきみが好きだった言葉を残す。メタルギアソリッド4のメイキングで塚本晋也監督がナレーションした時の言葉だ。
花が種を撒くように。
「メタルギアソリッド4 特典ディスク”散る”」
メタルギア ソリッド 4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット (スペシャルエディション) - PS3